親・教育者必見!子どもに使える褒め方のコツ
ママさんにとっては、子どもを褒めて育てるなんて耳タコかもしれません。それくらいよく聞くことだし、子育てにおいて当たり前のことなのでしょう。
しかし言うは易く行うは難し、正しく褒めるのはそう簡単ではありません。褒め方を間違えると、褒められるためだけに頑張るようになり、見ていないところではやらない子になってしまいます。
一方で正しく褒められた子は、着実に伸びる子に育ちます。教育において褒めることは、諸刃に剣なのです。
そこでこの記事では、正しく褒めて育てるノウハウをご紹介いたします。
1.なぜ褒められると良い?
1-1.自信が持てるようになる
勘違いしがちなところですが、「自信がない」と「自分に自信が持てない」というのは全くの別物です。
「自信がない」とは、話すのに自信がない、行動に自信がないのように、1つの事柄だけを指して言います。一方の「自分に自信が持てない」というのは、それらを包括して、自分という存在そのものに期待を抱けない状態のことを指しています。
たんに「自信がない」だけなら、ほかに得意な分野があるので心の余裕は崩れません。せいぜい落ち込む程度でしょう。しかし「自分に自信が持てない」という状態は、心に余裕がありません。ですので逆境になると受容できず、立ち上がれなくなってしまうのです。
「自分に自信が持てない子」には、褒めるのです。褒めることで、まず1つ得意な領域を作ってあげるのです。1つだけでも自信が持てる分野があれば、心に余裕が生まれます。そうなった子どもは一気に強くなります。強くあった子どもは新たに挑戦できるので、さらに自信がつくようになります。
このように、褒めることで小さな自信をつくる。その小さな自信が、やがての大きな自信につながるのです。
1-2.成績が上がる
褒められたら成績が上がる、というのはなんとなく理解できると思います。ではどうして成績があがるのでしょうか。大きな要因は2つあります。
1つ目は、モチベーションが上がったから。褒めるとは、つまりは報酬です。頑張った、結果を出した、その報酬で褒められた。こういう構図が成り立っているのです。
しかし褒められなかった人は報酬をもらえない。報酬がないのに頑張れる人間なんていません。
「いやいや、世の中には褒められなくても頑張ってるやつはいる」
と思うかもしれませんが、それは行動そのものが報酬なのです。楽しいから、それ自体が報酬となっているから一生懸命になれるのです。その人にとって、それが仕事や勉強だっただけのこと。根本のところは変わりません。
2つ目が合理的に褒められたからです。褒められるということは、その行動やその結果がよかったということ。褒められれば、そこをさらに伸ばそうとするのが人です。よかった方法で伸びようとするので、さらによくなっていきます。こうして生のスパイラルが回り、合理的に成長していくのです。
褒めるには栄養を与える効果と、正しい方向に向かせる効果の2つがあるのです。
1-3.その他
ここでは、雑多な効果をまとめてご紹介いたします。
幸せになる
→子どもに限らず、褒められれば嬉しいもの。嬉しくなれば笑顔も増えるようになります。笑顔には本人だけでなく、周囲も幸せにする効果がある。風が吹けば桶屋が儲かるではないですが、褒めれば幸せになるのです。
他の子も褒めるようになる
→褒められた子どもは、褒められるということが嬉しいことだとわかります。嬉しくなるようなことは、他人にもしようという心理が働きます。そして大人の見様見真似で褒めるようになるのです。
子どもの人間関係がよくなる
→上記の続きです。他の子を褒めるようになると、その子の人間関係もよくなります。褒めてくれる相手をいじめようとか、そう思う人はいないでしょうからね。
また褒める人を中心に、いじめも減少します。それは褒めることによって、いい雰囲気ができあがるからです。
以上が褒める効果です。まだまだ他にもあるかもしれませんが、これだけでも十分すぎるだけの価値があると思います。
2.失敗したときにデメリット
「頭いいね!」
「天才だね!」
のように能力を褒めると、子どもは成長しなくなってしまいます。それは褒められることを目的にしてしまうからです。
目的が褒められるならば、手段はいくらでもあります。ズルをしても成績がよければ褒められますし、手を抜いて1番になれる領域に安住していても褒められます。褒められるためなら、何でもするようになってしまうのです。
お菓子やお小遣いなど、外発的モチベーションで誘導するのも同じです。子どもは報酬をもらえなくなった途端、なにもしなくなります。これまで自分を動かしていたエンジンがなくなったからです。ですので、褒められるために頑張る。そのような子どもにならないような工夫が必要となるのです。
ポイントとして重要なのが、自分の頑張りや自分の行動で褒められるということ。そうすれば、たとえ褒められる機会が減っても、行動を続けられるようになるのです。
3.どう褒めれば良いのか
3-1.努力を褒める
子どもの努力を称賛する方法です。もっともよく使われる方法でしょう。
これのメリットは、子どもが自己成長する力を引き出せるという点です。努力を褒めるということは、結果や成果ではなく、過程に目を向けるということ。過程に対するモチベーションを促せるので、ズルや手抜きをせず頑張り続けることができます。
また失敗したとしても努力に価値を見出せるので、挫けない心を築くこともできます。何度でも挑戦できる子に育つでしょう。
褒め方
「今回の成績はイマイチだったけど、よく頑張って勉強してたね。その調子でいけば、いずれ実るよ」
「君が頑張っているとこ、ちゃんと見てるからな」
3-2.信頼する
承認するということも、1つに褒めるに当たります。そして信頼する、任せるというのも承認として大きな役割を果たすのです。
承認された人は、期待に応えようとやる気を出します。加えて信頼してくれる相手を、子どもも信頼しようと思うので、より成長を促しやすくなるでしょう。
褒め方
「あなたなら大丈夫!」
「自分で考えたことなら、それは応援するよ」
3-3.気づかせる
自分ができるということ、やればなんとかなるということを気づかせる褒め方。往々にして自分のことほど、長所や個性に気づかないものです。そこに客観的な視点から気づきを与えることで、自信を持たせる、やる気を出させる効果があります。
この手法を実用するためには、子どもを常に観察し、その子の特徴を分析する必要があります。一朝一夕でわかるものでもありませんが、子どもへの承認にもなるので、効果は大きいでしょう。
褒め方
「お前は人をまとめるのが上手だな」
「工夫をすれば、もっとできるようになれるぞ」
4.褒めるときのポイント
3-1.「事実」を伝える
褒めるといっても、持ち上げる必要はありません。まずは「あなたのことを見ている」と伝えてあげるだけで大丈夫です。
どんな人間だって多かれ少なかれ、承認欲求を持っています。常に「自分を認めてほしい」と考えながら生きているのです。
認められていないというのは不健康な状態であり、異常事態です。そんな心境で成長はできませんし、最大限の実力も出せるはずがありません。まして自分に自信を持つなんてこと、できるはずもないのです。
だから最初は承認欲求を満たしてあげる。その方法が、「事実」を伝えるなのです。
子どもだったら「90点もとれたね」
後輩や部下だったら「仕事、頑張ってるな」
異性なら「いい笑顔だね」
ちょっとしたことでも、気付いたことを言ってあげるのです。もちろんこのとき、ネガティブなことを言ってはいけません。あくまで目的は、承認欲求を満たしてあげること。否定的な態度はご法度です。
まずは「あなたのことを見ている」と認めてあげてください。
※詳細は下記のリンクから
褒め上手は見ちゃダメ!今から誰でもすぐできる!もっとも簡単な褒め方のコツ - ノウハウのめぐみ
3-2.「I(アイ)メッセージ」で伝える
社会的動物と呼ばれるように、人は集団のなかで生きています。それゆえ他者に「影響を与えたい」という気持ちは非常に強い。
「誰かを幸せにしたい」
「この世界から戦争をなくしたい」
「みんなを笑顔にしたい」
すべては「影響を与えたい」という感情が根底となった夢。それを目指して人は努力をする。そしてその夢がかなったとき、途轍もない喜びを感じるのです。
その傾向を応用した手法が、褒め言葉は「I(アイ)メッセージ」で伝えるということです。
たとえば、子どもがいい成績をとったときの褒め方。
「いい成績とれてすごいね」
でも嬉しいかもしれませんが、それ以上に
「いい成績とれて、お母さんは嬉しいよ」と言ったほうが、より嬉しく思える。効果もてきめんでしょう。
後輩がいいプレゼンをしたときは、
「よかったぞ」
と簡素に言うのではなく、
「よかったぞ。俺は感動した」
と感情を乗せて伝えます。自分が褒められる側だと思って想像していてください。「I(アイ)メッセージ」の方が言われたいですよね。
褒めるときは何より、君のおかげで、私にはこんないいことがあったよっていうことを意識して褒めると良いです。
※詳細は下記のリンクから
【もっとも影響力のある】信用と喜びを得る褒め方のコツ - ノウハウのめぐみ
3-3.「重要感」を与える
D・カーネギーの名著『人を動かす』に繰り返し書かれている言葉があります。それは重要感です。
人を動かす秘訣は、間違いなく、一つしかないのである。すなわち、自ら動きたくなる気持ちを起こすこと――これが、秘訣だ。(文庫版p32)
自ら動きたくなる気持ちの起こし方が、その人を重要人物として扱うこと。その方法が褒めるなのです。
褒めることで「あなたは私にとって重要な人」だということをアピールします。往々にして自分の存在価値は、他人の態度で推し量るもの。そして自分が重要人物なのだとわかれば、喜びもひとしおです。
褒めるというと褒め言葉が一般的ですが、これは私の考えですが、行動も褒めるの一種だと思っています。
たとえば後輩を、取引先の方のように接待する。女性を紳士的に迎え、椅子を引きプレゼントをする。子どもの遊びに付き合う。このように言葉ではないですが、大切に扱うことも立派な「褒める」だと思うのです。
言葉で表現するのが苦手な人もいるでしょう。そういう人こそ行動で、「あなたは私にとって重要な人」ということを伝えてみましょう。
※詳細は下記リンクへ
【信じられない方法を使う】人を動かす褒め方のコツ - ノウハウのめぐみ
3-4.「嬉しいポイント」を見つける方法
人によって、褒められたいポイントは違います。私の場合は性格や容姿を褒められるよりも、仕事などの能力を褒められたときの方が嬉しいです。
また同じ仕事でも、得意なことを褒められるよりも、苦手だったことを褒められた方が成長を感じられ嬉しいです。一方で「仕事なんかどうでもいい。私は容姿を褒められたいんだ!」という人も少なくないでしょう。
このように何が嬉しいのか、人によってバラバラなのです。
ですので一人ひとり、どこに注目して欲しいのか、どこを褒めて欲しいのか、観察し、見極めるのです。褒めるポイントを見つけるときは、いくつかの要素に分けると考えやすいです。
性格
→褒められる機会が少ないため効果的。抽象的でも、相手が勝手に行間を読み取ってくれるため難易度は低い。ただしタイミングの重要性は高い。
容姿(見た目)
→男性に向かって可愛いや、女性に向かってカッコいいのように、場合によっては地雷になる恐れがある。また褒められ慣れている人もいるので、あまり注目されないポイントを選ぶのが大切。また、抽象的だと白々しく聞こえるので、何がいいのかも加えて言うようにしよう。
行動・成果
→その人が起こした影響を伝えやすい要素。自分の感情を乗せることによって、より効果的に褒めることができる。褒めるその時点で、すでに具体的であるため、工夫は少なくて済むかもしれない。しかしそもそもポイントを探すのが難しいという特徴もある。
あくまでこれは一例で、ほかにもポイントは見つかると思うので、探してみると面白いと思います。
4.まとめ
今回は子どもに絞った記事でしたが、子どもに限らず褒める効果はあります。下記にリンクを用意しておりますので、ご覧ください。